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モスクワの友人よりフォト・エッセイが届きました。
2児の母、仕事もして大学に通う頑張り屋です。
今年卒業という忙しい最中に書いてくれました。
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外国語学部がある校舎前の写真です。
この校舎は外国語学部だけが使用している小さな建物で、
雰囲気はまるで家にいるかのようです。
ここはとても居心地が良く、生徒数も少ないため皆が顔馴染みです。
祭日には全員で何か面白いことを企画して楽しみます。
時にはダンス・パーティーに学部長や先生も参加して
果てしなく踊り続けたこともあります。
授業の休み時間、生徒たちは食堂に集まり
座ってお茶やコーヒーを飲んでいます。
そこでは英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語などが飛び交っています。
学生同士、様々な表現を友達に試して練習しています。
校舎前の写真には掃除のおばちゃんが写っています。
このおばちゃんは長年ここで働いていて学校の誰もが彼女のことを知っています。
その年齢から既に年金生活に入っていなければならないのですが、
彼女は未だに働き続けています。
穏やかでとても親切なこのおばちゃんの仕事はとても大変です。
雪が降れば何度も中庭の掃除をせねばならず、その重労働の道具といえば
箒とスコップしかありません。
モスクワの掃除夫は朝5時から働きます。
雪が強い日には休憩無しで働かなくてはなりません。
大通りは清掃車が入りますがそれ以外の場所は掃除夫の手作業です。
彼らの殆どは仕事のない地方からの出稼ぎか、教育を受けていない人や
年金生活者です。
特に年金生活の人たちは大変です。
重労働にもかかわらず、年金だけでは食べていけない
年老いた人々が他に働くところも無く掃除夫をやっているのです。
年金生活者の多くが掃除夫、掃除のおばちゃんとして働いています。
時に彼らと話をする機会がありますが、
中には高い教育を受け重役として働いていた人もいます。
彼らは誇らしく当時の仕事の思い出話をしてくれましたが、
生活への不満は語ろうとはしませんでした。
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